[5-09]恥を知れ！！

――では、この禁断の品評の刻、禁断という意味ではまさにメインディッシュといっていい時間に参りましょう

！？　ま、まさか本当にやる気か奉行！？

まだ誰かノータイムで頭に浮かぶ子いたっけ？

……あ、タマちゃんとかまだじゃん！

｢｢｢――！！！！｣｣｣

一度問いただしておきたかったんだけど、お前らタマちゃん虐めてないだろうな！　いや虐めてるよな！　白泉の居心地最高とか1年の頃から呟いてるぐらいなんだぞテメエら！！

ふ、ふん、素から白泉が相応の女子ということだろう！　ブランドレス、海賊王同等に論外だ！

でも海賊王以上に優秀だろ？　あのバ会長に勉強教えて留年を回避させたって偉業があるくらいだぞ！！

アイツの教師役お願いされた過去十数人は全員トラウマ植え付けられて、アイツの勉強云々については危機回避行動とるようになったんだからな

つくづく何でそんな爆弾を会長に推薦したんだお前達は

確かに、能力が極めて秀でていることは認めてやってもいいがな……その能力を倫理のレールから外さなければだが。あの阿呆会長の意向を総て汲んで、実現しなくてよいモノを実現させている。実際一番の戦犯みたいなものだろう？

そこなんだよそこっ。どんな苦境と理不尽をかまされてもバ会長を裏切らない！　束髪封帛の良妻ってイメージが強いよなぁ。だから俺はあの子で妄想はしないようにしてる

俺も。何か罪悪感がずば抜けてるっていうか

やりたくないから目線も向けないようにしてる

｢｢｢胸とか……｣｣｣

｢｢｢……………………｣｣｣

そう、真っ黒重装備の上からでもひしひしと伝わってくる、グラマー……

会長に何でも尽くしちゃう、とか……そういう唯一無二の奥さんって感じ？　黑稜の諸君、ほら想像してみろって。タマちゃん、ほんと悪くないぞー？

！！　ま、待て、やめろその先は本当に、俺たちには禁断なんだ！！

我々には、背負うべき高潔のブランドが……！！　高潔な人格と品性が！！

そんな毎日ブランド云々で忙しくて心安まらないブランド当主達よ、戦い抜いて誰にも監視されることのない我が家の玄関を開けるとだ、すぐにトタタタと。静かに、彼女は駆けてくるんだ

――エプロン姿でな

｢｢｢――APRON――｣｣｣

｢｢｢ふぎゃんっ(←鼻血)｣｣｣

｢｢｢ぷぅうう～～ん(←鼻血)｣｣｣

な……何という、献身の破壊力……そこから、そこから先は――(←鼻血)

奉行、我を忘れるな！！　だ、ダメだ、矢張り禁断、それ以上進んではいけないそれ以上のバスタイムはガハァ――(←鼻血)

こ、このぉ汚らわしい蛮人どもがッ普段からそんなことイマジネーションしてるのか！？　恥を知れ！！(←鼻血)

鏡見てから言えよお前！！　ていうかそのリアクション、やっぱりお前ら実のところタマちゃんのこと気にしてるだろ！　だって普段あんな子いて男子が意識しないわけないもん！！

バ会長にキレられると面倒くさいからかなり頑張って考えないようにしてんだよ普段！　あーくそ、確かに禁断だぜ……！！

タマちゃん、今頃プライベートビーチだよなぁ……あの重装備を脱いで水着だったりしたのかな……写真掲載されるかな、されるよな……

｢｢｢！？！？！？！？｣｣｣

そ、そうじゃないか！　確か玉席の水着集合写真は林間学校名物の1つ……確定的ではないが、後日学内新聞に掲載される可能性が高い――

ば、バカな――僕は一体、どうやってそんな爆弾を処理すればいいんだ――？

み、見れるのか！？　普段全く見せようとしないタマの肌がッ！？

こ、これは緊急事態です――！！　黑稜白泉ともに、玉席の水着写真を掲載した新聞は極めて危険な大型災害！！　これに備えるための知恵を、早急に集めるべきです！！

グッ……異論は、ない……！

ああ……！！　タマちゃんセクハラ云々には結構厳しいから、間違っても鼻血なんか出せねえぜ！！　本気で嫌われちゃう！！　それは絶対にイヤだし！！

品評会を一時中断し、特別対策会議を始めます！　我ら高潔で品位ある男子なり！！　故に――

｢｢…………｣｣