[5-05]お花畑な寝顔

あらすじ

「おかしいだろう、どう考えても。ブランドや能力云々は置いておくにしてもだ、性格的に……」

皆でお布団を敷きます。

相部屋だからといって布団に潜り込んで足の裏に保湿クリームをたっぷりお見舞いしてきたアイツを赦さない、そんな疑問に塗れた5節。

スタート!

ココア

ふぃ~~、食後すぐのシャワーはアレな気がするけど、それでも生き返ったぁ~……

ココア、予定していなかった本日2度目のお風呂をいただいた。汗と冷や汗を流してスッキリである。

エアコンの効いたリビングで抹茶を一杯。コンディションを取り戻したところで、気付く。

ココア

あれ、タマ先輩がまたまた仕事モード……? お風呂いま空いてますよ? というか誘って一緒に入ればよかったかな?

タマ

あはは……私、一緒にお風呂は最高レベルでハードル高いかなぁ……

ココア

まあ、水着もダメですしね。一緒にお風呂入りたかったかなぁ(ツララ先輩が)

タマ

でもそれだけじゃなくて、今からアクシデント対応に行こうって流れなんだ

ココア

え、もう普通にお外真っ暗なのに!? というか起きちゃったんですかアクシデント!?

タマ

何でも、正体不明の猛禽類めいた奇声が響き渡ってるとかで、一般学生の利用してる宿泊施設、それからその近隣から通報が来たみたいで。昼間のこともあるから、先んじて情報を探っておきたいんだ……

バ会長

ってことで、俺らでちょっくら事実確認してくるわ! 俺とタマが居れば万事解決よ

マキ

アッチの空気も気になっていたところだ、俺も附き添わせてもらうとしよう

ココア

おお、頼れる3人の同時出動……!! でも、私達はいいんですか?

マキ

令嬢たちをこんな時間帯に外を歩かせるのは学園の心臓に悪いだろう? 俺としては令嬢以前に女子を動かすのも躊躇いたいところだが、まぁそこは妥協だ

タマ

ごめんねココアちゃん、先に就寝していて。皆さんにもよろしく

ココア

……はい

庶民2人と監査官、一般学生のところへ出陣。

それを見守ったパジャマココア、む~~とため息をつく。

ココア

タマ先輩とのお布団、ちょっと楽しみだったんだけどな~。いや、でもツララ先輩のこと考えたら逆に安心……?

ともかく、3人を抜いたお布団タイムの準備を済ませ、一室に女子たちが集まる。

ココア

それにしても、枕投げとか軽くワクワクしてたんだけど……

ユラ

そんなくだらんこと私がするわけないだろ

ハコ

……こんな大人数で安眠できるわけなし……(←コミュ障)

ユサ

皆の寝顔写真、結構な値段になるよね……(←カメラ準備)

ダンベル

ユサ殿、その手に持っているものを預かりましょうか?

ウミナリ

…………

ココア

この面子でそんなアクティビティやれるわけないよなぁ……せめてバ会長がいれば……

ユラ

居ても別室に決まってるだろ。タマくんですら「庶民の私が同室で睡眠を共にするなど有り得ません」とか言って別室を譲らなかったんだぞ――うぅううううううう(←目血)

ウミナリ

枕を赤く染めないでくださいませ

ユサ

なら、少々地味ではありますが、定番の恋バナでもしながら寝落ちに洒落込みましょ~

ココア

それもこの面子だと心配しかないけど面白そうッ。えへへ、じゃあ皆さんお布団かぶりましょー!

まだまだ楽しみたいパジャマココア、お布団に突入。

そこから時間を測ること、13秒。

ココア

ぐ~~~……(←爆睡)

ユサ

え?

ダンベル

ココア様が一番手を切られました。どうぞ皆さま、お気になさらず各々熟睡に入ってくださいませ

ハコ

相変わらず子どもっぽいなり。見るからに良質な睡眠、羨ましいほどなり

ユサ

ですよねー。この世界平和爆弾とでも名付けたくなるお花畑な寝顔。やっぱりコレ、ココアFCにばら撒いてやろうかな……あっ、ちょダンベルさん(←粉砕ボッシュート)

ユラ

確かに、羨ましさはあるな。コイツの世界観はほんとに、悉く平和でしかないんだろうな……

ココア

すや~~~……

……一方その頃。こっちの3人は道中でタクシーを待っていた。

マキ

……そういえば、無駄に気になっていたことを暇潰しがてら訊いておこうか

バ会長

何すかマキさん? ツララのスリーサイズとか聴くだけ無駄っていうか残念な気持ちになるぜ

タマ

会長? 監査官?

バ会長

冗談冗談

マキ

俺を非難に巻き込むのをやめろ! そんなんじゃなく、ココアくんのことだ。いや、今日一日の楽しんでいる姿を見ていて、やはりな

タマ

ココアちゃんですか?

マキ

――どうして彼女は、ヤンキーなんてものを志しているんだ?

2人

「…………」

マキ

おかしいだろう、どう考えても。ブランドや能力云々は置いておくにしてもだ、性格的に……

バ会長

それは……ぶっちゃけたところ、俺らも知らないんだよなぁ

マキ

お前達ですらか? それは何だか意外だな、アイツは特にお前達に懐いているようだし、何でも話してそうだったが

バ会長

……まぁ、アイツが本気でそうなりたいって……変わりたいって思ってることは確実だろうけどなぁ。な、タマ?

タマ

…………