[1-2]資格の勉強とかしてみたらどうかな
あらすじ
「資格勉強だったら、取りあえず目に見える目標があるわけだから、やりやすいかなって」
ココア様、まずは友達に相談だ!
特に暖房をつけた真冬の教室でお弁当を開けることに多少は社会的に抵抗を持ってほしいです。それはさておきプロローグその2。
スタート!
……ということで何か、妙案ないかなユサさん!
ココアちゃん、そんなお悩み抱えてたんだー……ごめんね、気付けなくて。てっきりココアちゃんは何一つとして未来に不満も課題も頭に無いものだとばかり
何故か知らないけど今すごく心が痛い
決意のココア、まずは友人にソレを打ち明けてみることにした。
諸々の事情でココアはその貧弱能力に関わらず、端的にいって崇拝対象に分類されている。よって、フランクに話しかけることのできる相手というのはこの黑稜キャンパスでは数少ない。
が、皆無なわけではない。彼女の教室には1人、例外的存在が在籍していた。
それにしてもユサさんは何て言うか、私相手でもお話大丈夫って感じだよね
そう? ココアちゃんは凄いお立場のお人だから、私もできれば安易に話しかけたり話しかけられたりしないよう、注意はしてるんだよ?
あ、何かごめん。今の状態ごめん
昼休みに教室でお菓子とお弁当片手に話しかけにいったココアをそれとなく非難してみせるユサなる少女は、ココアの悩みを聴いてあげる。
なるほどー……。何にせよ、自分磨きってことだよね
そうそう! でも、いざ実際に何かやろうって思うと……何をやろうかなって
具体的に何かイメージ湧いてないの? ココアちゃんは何一つ似合ってもないヤンキーさんを取りあえず目標にしてるんでしょ?
一言盛大に余計だけど、そうだよ。カッコ良い大人の女になるんだ!
そっかー
お弁当を差し置いて煎餅の包みを開けるのに十数秒を要して息も上がってるご友人を見ても、言葉にはしないユサだった。
……いや、言葉にせずとも目が語ってる……ムリだよね、って言ってる……
え? やだなぁ、そんな無礼なこと、思ってもいませんよーココア様ぁ
むー絶対ナメられてるぅぅ……! あむっ(←煎餅)
でも、私の見立てでは、ココアちゃんは文化系だと思うんだよね~。ご両親様はかなり体力使う職業だけど
むぐむぐ……文化系?
身体を動かすというよりは、頭を使うの。それと、一般の人達は持ってなくていい沢山の知識を持ってて、それをもとに社会貢献する感じ
え……それこそ私、向いてないと思うんだけど……私ヤンキー志向だし、そして頭ベリーバッドだし……
うん、ソレは分かってる(←強調)
ココアはまたダメージを負った。
でも、体やテクニックを作る体育系より、本を読んだり先生から話を聴いたりする文化系の方が、個人差関係無く成長できるんじゃないかなって
た、確かに私は、見た目は貧弱だけど……
(見た目だけじゃなくて全てが、だけどね!!)
分かるよ、私ユサさんの沈黙の中身たいてい分かるんだからね!
そんな誰も得のしない能力にリソースを割かないで、まずは気軽にできる知識の会得……例えばそうだな、資格の勉強とかしてみたらどうかな! (どうせ)ココアちゃん何も持ってないでしょ?
資格……数検、とか聴いたことあるけど、そういうの?
うん、そういうの。資格勉強だったら、取りあえず目に見える目標があるわけだから、やりやすいかなって。まだココアちゃんのなりたい自分像は、多分境遇から考えてハッキリしてこないだろうから、今はとにかく経験だよ! それに、誰も持ってない資格とか持ってたら、黑稜でも自慢できるかも
なるほど……! 何だか興味、湧いてきたよ! 流石ユサさん、私のこと私より分かってる気がする!
(これを機に、ココアちゃんの関心がヤンキーから離れてくれたらなぁ)
……だけどユサさんのことだから何か口にしてない意図が含まれてそう……
そんなことないよー
こうしてココアは思いやり溢れる友人のアドバイスを受け、文化的な素養に注目するようになった。
となると……まずはどんな資格があるのか、調べないとね