[4-06]コイッッツッッッ……!!!

あらすじ

「で、デートって……いやいや、別にそんなんじゃ」

ココア様、ベタに緊張します。

微笑ましさ粉砕、皆が拳を握るインサート4その6節。

スタート!

ココア

……………………

翌日になり、ココアはしっかり待ち合わせの場所に。

予定の時刻よりも45分くらい早く。

その服装は動きやすさとかどう見ても優先はされていない、しっかり女の子らしくてヤンキーさ皆無の、いわば勝負服。

おじさん

お? 随分気合いの入ってる女の子だなぁ。はは、どっか楽しいとこでも遊びに行くんだろうなぁ、微笑ましい

おばさん

コラコラ、小さい女の子だからってなめちゃいけないよ。アレはきっと、デートよ。とっても真剣な心に、幼さなんて関係無いのよ

おじさん

へー、デートかぁ。最近のC等部の子は大人顔負けにメイクしてくるんだなぁ

ココア

……………………

結構注目を集めているが、それを気にできるほど本人のメモリには余裕はなし。

前日の用意も結局余裕無く、ベッドに入っても寝れず、荷物やネット検索へと起きて、再びベッド入って、しかし気になり起きての繰り返し。

本人史上最高に寝不足、しかしソレも気にならないほどに45分を持て余さなきゃいけない少女は、常に幸せに張り詰めていた。

ココア

で、デートって……いやいや、別にそんなんじゃ。そんなつもりで誘ってないし、ホント遊びにね?

誰に対して説明してるんだと周りの人は微笑みながら、心の中で応援して歩き去って行く。

……そんな中。

去るのではなく。近付いてくる存在。

それを唯一許された男が、ココアへと真っ直ぐ、歩いてくる。

周りの人

……!!(アイツだ、アイツがデートの相手――って年の差結構あるぞ!!)

周りの人

(ロリコン……? あれ、これってもしかして通報ものじゃ――いやいやデートってだけならいいのか、考えすぎだ俺)

周りの人

(ていうかかなりイケメン……あれ、何かテレビで見たことあるような――気のせいかな。てかアレ、隣に――)

何故か周りの通りすがるのをやめた人々が、その瞬間を悟り、思わず注目してしまう。

デートで準備段階に大変苦心したなら、次の爆発的な瞬間もとい楽しみは待ち合わせ。

最初の一言は何だろう、どっちが声を掛けるんだろう、と無駄にワクワクする周りの人達を余所に。

当人たち――特にココアの勝負は動き出す。

バ会長

あれ、ココア早いじゃん

ココア

――!!! ひ、ヒロくんこそまだはや――

ココア

――…………あれ?

ハコ

……………………

ココア

ハコ……?

ハコ

……………………

ココア

ハコがいる……え、あれ、どして?

バ会長

間違いなく暇だろうから強引に誘ってきた。2人より3人の方がココア楽しめるタイプっしょ?

ハコ

…………

ココア

…………

周りの人

「「…………」」

その場全体が何故か凍り付いたような空気に包まれた。

バ会長

あれ、どったのお前ら黙りこくって。てかココア、ガチオシャレしてきてんな、海賊王も見倣っとけよー。……ん、何かすっごく見られてる気が……

周りの人

「「こ――」」

周りの人

「「コイッッツッッッ……!!!」」

バ会長

?????