[6-08]何かしでかすつもりのようですが
あらすじ
｢あと1箇所、最後に私に附き合ってもらえますか？｣
疲労困憊デート企画はいよいよ終盤へ。
デートの〆といったら……何ですかね？ ドキドキ止まらない6話8節。
スタート！
ヤバい昼食を乗り切って、一行は再びお外を歩いていた。
それからも｢普通｣をあえて意識した下心満載のWデートは。
結果的に怒濤の展開をみせていった。
あれ、君かわいいね。でもパーカーがしなしなしてて勿体ないよ、もっと肌とか見せて――
いや、あの……私お肌はちょっと……
ナンパ師とかこの世で最もくだらない人種のひとつですよね(←不機嫌)
ただ歩いてただけなのにベタながらナンパに襲われるタマと暴れ出す侍従。
あはははははははははははたのしイィー(←暴走ゴーカート)
えぇええええええええ――！？！？
保護者から離れるとどういう目に遭う世の中なのかを教えてやりますよクソガキ(←不機嫌)
ただ歩いてただけなのにどこかのアミューズメントから抜け出て暴走していたゴーカートに突っ込まれるタマと怒り狂う侍従。
オイ、今オレのこと莫迦にする目してただろ？ 誤魔化すなよ、分かんだよコッチぁプロだから。コッチ来いよ女テメエ！！
え、えええ！？ 別に私なんにも――
おっと、本日唯一にして楽しそうなイベントですね。ストレス解消でもしましょうか……(←上機嫌)
ただ歩いてただけなのにどこかの組の親切な御方に因縁付けられるタマと血が騒ぎ出した侍従。
それら全てにフォローの手を伸ばし、何だかんだ事なきを得る。代わりにココアは満身創痍であった。
えっと……ココアちゃん、大丈夫……？ もう解散、する……？
いえ、全然、平気なので……ツララ先輩ほら、タマ先輩エスコートエスコート……日が暮れ始めますよそろそろ……
ああ。……今度、ガッツリお礼するからな……
｢コレ実はタマ先輩の厄災バキュームっぷりの方がヤバいんじゃね？｣と思い始めながらも、何とか持ち直すココア。ついでに自分の相棒を睨んでおく。
何ですかその目は
べっつにー。私が死にそうになってる原因の半分くらい、実はウミナリさんのフォローなんじゃと思ってるだけですー
どうせ他人のフォローが生き甲斐なんですからその程度の労働はむしろ喜べばいいでしょう
何という暴論……！
もうすぐデートもタイムアップなのを内心喜ぶココアだった。
……ココアちゃんがあんなに苦労してる理由って、やっぱり――
余計な詮索はいっそ無粋になりますよ(←表ver.)
し、しかし参席。そもそも私は、今日のコレがどういう主旨なのかも未だに……
……そうですね……じゃあ、もし何かに責任を感じているというのなら
！ は、はい
あと1箇所、最後に私に附き合ってもらえますか？
｢｢……！！？｣｣
それは、本日の大前提を覆しうるユラ自らのアクションだった。
当然想定外、フォローも限界な後方2人にも緊張が走る。
……はい。承知、しました
感謝します。では……行きますか
強制的な相手ならば取りあえず従うのがタマ。矢張り頷き、恐らくユラの思惑通りに、デートの最後に何かが始まる。
だがその何かが分からない以上、ココアのフォローは致命的に遅れる可能性がある。
……何かしでかすつもりのようですが？
観光雑誌に載ってる場所なら、何とか即座に……いけるかなぁ……？？ だけど本来はこれツララ先輩の為のデートなんだし、最後くらいツララ先輩の好きなように行動していい……のかなぁ？
相手の弐席が甚だ困らないというのが大前提だったのでしょう？
そうですね。そこだけを見極めます。……ウミナリさん、あと一辛抱、お願いします
……まあ、我が主のデートセンスくらいは将来も見据えて研究しておきましょうか
明日を変えるWデート、終幕の時が近付く。
その最後の舞台は――