[7-09]もっと周りを信頼しろ
あらすじ
「仰せのままに。我らが冥櫻のミヤビ様」
回収されたココアちゃん、帰途につきます。
この9節がやりたかっただけのインサート7、次回でラストです!
スタート!

すみませんでした!!
会場へ戻る最中、あらためてココアはしっかりと2人に頭を下げた。

はぁ……正直、正座説教でもしてやりたいぐらいだが、体調不良となれば追及は保留しておいてやろう

あー寿命縮んだ。誰にも見られてなくてホント良かったよー……

ごめんなさいでした……

それで、あの金閣と何の話をしていた? お前は何もされていないと言うが

私のこと、ヤンキーって褒めてくれました!! あんなに褒められたの初めて!!

褒められてるんだろうか?
ココアは執事さんとのお話を2人と共有する。

……正しいと思うことを信じ続ける、か。自分たちのことを棚上げしてたいそう偉そうなことだな。抑もお前達の方がアウトサイダーだろっ

でも案外その定義だと同じくヤンキーですよね、マキ先輩

その定義じゃなくても、お前は充分にヤンキーの素質があるぞユサくん

え、2人もヤンキー!? 私の専売特許が奪われる……!

奪われるも何も、専売特許でも何でもない概念でしょ。……皆、それなりにそんなこと分かってるんだよ。結果的に何が正しかったか、自分たちの社会は正しかったのか。……だからこそ、ココアちゃんのやってることって、実のところそんな奇抜でもないんだよ

つまり異端種なんて呼ばれる筋合いも実際無かろう。……だから、もっと周りを信頼しろ。少なくともお前の属する玉席のメンバーは皆、理解力を持っているだろう?

マキ先輩……

あああと、体調のこと黙ってたのは一番ダメだよ。幾らご両親の頼みであっても……というか愛娘の体調とか考慮できなかった2人にも苦言かましてやろ

ユサさん……
ココア、あらためて執事の言葉を思い出す。
仲間の言葉と合わさり、深い反省が作られていく。

……そっか……もっと気楽にやらないと、周りに迷惑かけちゃうのか……

お前は変なところで自分を蔑ろにする。もっと柔軟に考えろ

たまには自分自身をフォローしてあげたら?

あはは、変なこと言うねユサさん。でも……うん、ちょっと考え直してみる
自分を制御してくれる仲間が居る。それを忘れてはいけないことをココアは学んだ。
全ては、自分がやりたいことを為すために。

……よぉし、何かすっごい元気になってきた! 景気付けに帰ったらハ行の四字熟語を制覇するぞー!!

はいはい無理しないの~、今日はもう安静に――……ココアちゃん、右腕のガーゼ、何?

え?
ユサの指摘で、ココアは初めて気付いた。
全く身に覚えの無いミニサイズのガーゼが腕に貼られていることに。

注射……か? まさか何か薬物を盛られたのかッ!!

いやいやいやそういう感じの人たちじゃないから!!

いやそういう人たちだからッ! ココアちゃん、何か体調に変化は?

……そういえば、何か。パーティー始まった時より、ていうかここ最近で一番調子が良い感じがする

気持ちがだいぶハイになっているから、信用しづらいな……

まあココアちゃんを陥れる価値が無いのは確かだし……でも一体、何を――

……???

……はぁ……
一方の、金閣組は。

……お前、覚悟はできてるんですよね

何のことですか?

あんなテキトウに喋り倒してッ!!!
当主プンスカで反省会が執り行われていた。

ははは、確かに今日はとても喋り疲れましたね。なるほど、ココア嬢に人が集まる理由がよく分かりました

……お前の気まぐれはいつもいつもいっっつも、私の精神を蝕みます。明らかに狙ってるでしょう反逆です

やれやれ、こちらのお嬢は気難しくて困りますねぇ
客も居なくなったので当主はその匣を脱いだ。

とはいえ……根本で似てますねえ、貴方様と

何が何と

ココア嬢と、生き方が。あとキャラ付けの濃さも

莫迦にしてますね切腹でもしますか、リザ?

滅相もありませんよ、海賊王。……ところで
……上機嫌な執事と弄ばれる令嬢。
しかしここで、ずっと笑っていた執事から笑みが消えた。


結果、出ましたよ。即席鑑定ですがね

……無許可で採血とか絶対今頃不審に思われてます

最終的に判断したのはミヤビ嬢ですよ。まあそれは置いといて……本人から具体的な症状を聞いてないから確定はできないですけど、十中八九”エクリプス”の変異系統のどれかでしょうね。しかも、日常的に摂取してるとしか思えない異常濃度です

!! エクリプス……どうして、そんなモノを――

本人自ら摂取しているとは考えにくいですね。……寝言からして、投与をしているのは――

何の為に。エクリプスの類いに明確な利点作用なんて無かった筈

仰る通りで。だから、僕が今のところ疑っているのは副作用の類いです

…………

だとしたら”グリムリーパー”の件といい、相変わらずあの男のやり口は卑劣というか臆病というか……おっと、想像で罵倒するのは自重した方がいいですね。そしてミヤビ嬢も、その固まった拳を僕とかにぶつけないでくださいね
憤怒に震えだしている当主からちょっと距離を取っておく執事。
少女も、深呼吸を挟み、心を一度落ち着ける。

一応、敵国の令嬢。……こっからどうするかは、ヤンキーお嬢様にお任せしますよ? 僕はその心に真摯に対応するのみですから

お前の忠心など信用してない、仕事をしてなさい。引き続いてこの件の調査を

ココア嬢と会う奇跡の機会は今し方過ぎたっていうのに無茶を……はぁ、仰せのままに。我らが冥櫻のミヤビ様


……フンッ……

――貴方様の航路に、我ら”中身”は全てを擲つのですから