[2-04]普通におでかけなんて初めてだなぁ

あらすじ

「もう超新鮮なんですもん、2人の私服姿なんて!!」

メイン3人、珍しいイベントに洒落込みます。

インサート2の4節。勢いで実装しましたが、メチャどうでもいいお話です。

スタート!

ココア

お待たせしましたー!!

ハコ

遅いなり、5分遅刻です社会的に高い立場に居るくせにこの程度の約束すら疎かにするとは本当将来に期待が持てません

ユラ

まあ私は正直サボりちらかしてやろうかなって30分前くらいまで考えてたが

ハコ

それを言うなら私だって心底この時間に何の楽しみも湧きませんよ帰っていいですか

ココア

おでかけ始まったばっかりでやる気なさ過ぎでしょ……! 帰らない帰らない!!

ココアは息を整えつつ、2人の姿を視界に入れた。

3人一緒にいる時間は最近とても増えたが、今この時はそれら慣れた光景とは決定的に異なる点が2つ。

ココア

えへへ……思えば、普通におでかけなんて初めてだなぁ

まず、其処は生徒会室ではないということ。

そして、ココア含め全員、黑稜白泉の制服ではないこと。

そう、今見える光景に立つのは責任のしかかりまくりの稜泉学園玉席の3人ではなく、一般的に一番楽しいとすら言われる年代の少女3人なのである。

ユラ

おいおい、そんなラフな理由で集まるわけがないだろうこの面子で。ちゃんと生徒会としての目的があって、こうしてわざわざ私服で街に出てるんじゃないか

ココア

それはそうですけど、これくらい良いじゃないですか! もう超新鮮なんですもん、2人の私服姿なんて!!

ハコ

くだらないです、故にさっさと用事を済ませて解散するが適切。寄り道なんか許しませんココア

ココア

あはは、はーい。それじゃ、いざ――

ということで実際には遊びではない目的のもと、ココア達は学外活動に入る――

ココア

――ハコの服を買いに行きますッッ!!!!

ハコ

全く目的違うんですが?

――入る、その前に。

ココアは我慢ならなかったのでストレートに指差した。面倒臭がってるユラも、この突然のココアのお怒りにうんうんと頷いていた。

理由は明瞭。指差された年頃の女子の身なりである。

ハコ

とあるお店に噂の真偽を確認しにいくのでしょう、何ワケの分からない寄り道をいきなりかまそうとしてるんですがポンコツココア

ココア

そんな格好で待ち合わせといてポンコツとか言う資格ないよ! 控え目に言ってもヒドいッ!!

ユラ

そうだな……私は特段オシャレ云々に口だしする趣味は持ってないつもりだが、それでもコレはちょっとひどすぎる

ハコ

何がおかしいというのですか、着てるじゃないですか

ココア

着てれば及第点の時代じゃないんだよ現代は!! 着こなすのッ、ほら見て私の装備! 面倒くさがりのツララ先輩ですらクールに決まってるじゃん!!

ハコ

……私は、決まってないと?

ユラ

日曜日お昼のコンビニに何となく入り浸る真夏の50代おっさんの身なりでももう少ししっかりしてる(※個人の先入観です)

無地のボッロボロTシャツと、ブカブカめの無地短パン。

部屋着やパジャマ着と言われても仕方なかろう、そんな楽々な海賊王の姿にココアは頭を抱える。

ココア

一緒に歩く私達のことも考えてよハコー

ハコ

そんな些細なことでそこまで嘆くとは器が知れるなり

ココア

ハコだって海賊王目指してるんでしょ? キングなんでしょ? だったら見栄えにも気を遣わないと! 皆が見て、憧れるようなオーラを出さないとダメでしょ

ハコ

ヌッ

ユラ

珍しくココアくんが優勢だな

しかし残念ながら時間は有限なのである。

ハコの言うように本来の目的は別にある。それを粗末にするわけにはいかず、ココアとユラは露骨にため息を吐きながらも、改めて出発するのだった。

ココア

しばらく海賊王活動はファッション強化週間に入ります。では改めて、水上区へ行きましょう!!

ユラ

良かったな海賊王、広報担当が身なりに気を遣える今どきの女の子で

ハコ

……解せぬ……